建設業M&A・事業承継について

建設業は、建設業許可と専任技術者の体制のもとで、発注者・元請・下請との継続的な関係を通じて、施工・工事を担ってきた事業です。経営者の判断、現場の技術蓄積、許可と技術者の維持、取引先・協力会社との関係が、その会社の事業基盤を形づくっています。

譲渡・承継を検討する際には、誰に引き継ぐか、許可と技術者をどう維持するか、進行中の工事・既存の発注者との関係をどう引き継ぐかによって、承継後の事業の姿が変わります。

当社は、建設業の譲渡・承継に関する助言と仲介に対応しています。経営者からのご相談と、建設業の譲受を検討される方からのご相談の両方を受け付けています。

当社の関与実績:成約8件

当社が建設業M&A・事業承継に関与してきた成約件数は8件です(2026年5月時点の当社整理による)。

関与してきた業種類型は次のとおりです。

  • 総合建設業
  • 内装
  • 家具製造業
  • 電気設備工事
  • その他

建設業は、業種類型ごとに、必要な建設業許可の種類、専任技術者の資格要件、施工体制、取引先構造、官公庁案件への対応有無が異なります。同じ「建設業」でも、総合建設業と専門工事業では、確認すべき論点も買い手候補類型も別物です。

買手候補の類型

建設業の買手候補は、業種類型、規模、施工領域、地域によって幅があります。当社が関与してきた案件における主な買手類型は以下のとおりです。

  • 同業の事業者(事業拡大、地域展開、施工能力増強)
  • 元請・下請関係にある事業者(垂直統合、施工体制強化)
  • 関連業種の事業者(施工領域の拡大、新規分野参入)
  • 不動産開発事業者・ハウスメーカー等
  • PEファンド等の投資家
  • 独立を検討している同業勤務者・有資格者

買手類型によって、承継後の運営方針、許可・技術者の維持方法、官公庁案件・入札資格の活用方針、取引先との関係維持の方針が異なります。

建設業承継で確認すべき主な論点

建設業の承継では、次の7つの論点を確認します。

建設業許可・専任技術者の継続

建設業の運営には、建設業許可と専任技術者の配置が前提条件になります。許可の種類(特定建設業/一般建設業)、許可業種(土木一式工事、建築一式工事、内装仕上工事、電気工事等)、専任技術者の資格者・配置状況を確認します。

承継により専任技術者が離職すると、許可要件を満たせなくなる場合があります。承継スキーム(株式譲渡/事業譲渡)によって、許可の引継ぎ・再取得の扱いが変わるため、許可継続の見通しを基本合意前に確認します。

経営業務管理責任者の要件も同様に、承継後の体制で満たせるかを確認します。

技術者・職人・現場体制の継続

建設業の運営は、現場代理人、主任技術者、職人、工事担当者の体制によって支えられています。承継により主要技術者・職人が離職すると、施工体制そのものが維持できなくなる場合があります。

承継前の段階で、技術者・職人の処遇、雇用条件、技能の引継ぎ、若手への技術継承の状況、承継後の体制について確認し、必要に応じて説明のタイミングを設計します。

進行中工事・既存契約・瑕疵担保の扱い

建設業の承継では、進行中工事の完工責任、引渡し後の瑕疵担保責任、既存の請負契約、追加工事・変更契約への対応を確認します。

進行中工事については、承継時点での出来高、発注者との契約条件、完工までの体制と採算を整理します。引渡し済み工事については、瑕疵担保期間、アフターサービスの責任の所在、設計変更・補修依頼への対応を確認します。建設業法に基づく工事完成後の責任、住宅瑕疵担保履行法に基づく義務等についても、案件ごとに確認します。

官公庁案件・入札参加資格

官公庁案件を扱っている場合、入札参加資格、経営事項審査(経審)の評点、過去の受注実績、指名の継続性、電子入札対応など、民間案件とは異なる確認事項があります。

入札参加資格は法人単位で取得されることが多く、譲渡スキーム(株式譲渡/事業譲渡)によって、資格の引継ぎ・再取得の扱いが変わります。経審の評点、過去の工事実績、指名関係が承継後も継続するかは、案件ごとに発注者・所管自治体への確認が必要になる場合があります。

下請構造・協力会社との関係

下請事業者として運営している場合、元請との取引関係、下請契約、施工体制、価格決定構造が事業運営の前提になっています。元請事業者との関係の継続性、下請代金支払遅延等防止法(下請法)への対応状況を確認します。

協力会社(孫請、専門工事業者、職人手配)との関係も、施工能力に直結します。承継後も同じ協力会社との取引が継続できるか、職人の手配ルートが維持されるかを確認します。

設備・車両・資材・不動産の扱い

建設業では、重機・建設機械、車両、仮設資材、本社・営業所・倉庫・資材置場等の不動産が事業基盤の一部になります。設備・車両の保有形態(自己所有、リース)、不動産の保有形態(自己所有、賃借)、リース契約・賃貸借契約の引継ぎを確認します。

譲渡対象に含めるか、別契約として残すかは、譲渡対価、承継後の運営コストに影響します。

譲渡代金・税務・経営者保証

建設業の譲渡では、譲渡スキームによって、譲渡代金の受け取り方、税務上の扱い、手取額が変わります。

支払方法や税務ストラクチャーは、売手・買手双方の事情に合わせて検討します。必要に応じて、税理士・公認会計士と連携します。

金融機関借入や経営者保証がある場合は、保証の扱い、金融機関との協議、クロージング時の確認事項も整理します。建設業では運転資金・設備資金の借入が大きい場合があり、経営者保証の解除・引継ぎは重要な確認事項になります。経営者保証に関する基本方針は、Guidelineに記載しています。

当社が支援できること

当社は、建設業M&A・事業承継について、次の実務を支援します。

  • 初回相談および譲渡可能性の確認
  • 事業価値・株価等の算定
  • 買手候補の検討と打診
  • 案件概要書の作成
  • 買手候補との交渉進行
  • 基本合意書の作成支援
  • デューデリジェンスの対応
  • 最終契約書の作成支援
  • クロージング準備
  • 成約後の引継ぎに関する調整支援

支援形態(FAまたは仲介)は、案件特性に応じて決めます。詳細はServiceをご確認ください。

初回相談から成約までの進み方はFlow、報酬体系はFeeをご確認ください。

買手候補の方へ

建設業の譲受を検討されている方は、以下のような類型が対象です。

  • 同業の事業拡大・地域展開を検討している事業者
  • 垂直統合(元請・下請)を検討している事業者
  • 関連業種からの施工領域拡大・新規分野参入を検討している事業者
  • 不動産開発事業者・ハウスメーカー等
  • 建設業への新規参入を検討しているPEファンド等の投資家
  • 独立を検討している同業勤務者・有資格者

買手候補としてのご相談については、Contactよりお問い合わせください。関心のある業種類型、地域、規模、施工領域、希望する承継時期等について、お知らせいただければ、該当する案件があった際にご連絡します。

買手候補として打診を受けた場合の流れは、Flowの「買手候補として打診を受けた場合の流れ」をご確認ください。