介護施設M&A・事業承継について

介護施設は、地域の利用者・家族に対して、継続的な介護サービスを提供してきた介護事業です。経営者の判断、現場の介護職員・看護師・ケアマネジャーの体制、施設の運営、利用者・家族との関係が一体となって、その事業所の信頼を形づくっています。

譲渡・承継を検討する際には、誰に引き継ぐか、職員体制をどのように維持するか、利用者・家族への影響をどう抑えるかによって、承継後の事業所の姿が変わります。

当社は、介護施設の譲渡・承継に関する助言と仲介に対応しています。経営者・施設長からのご相談と、介護施設の譲受を検討される方からのご相談の両方を受け付けています。

当社の関与実績:成約7件

当社が介護施設M&A・事業承継に関与してきた成約件数は7件です(2026年5月時点の当社整理による)。

関与してきた業種類型は次のとおりです。

  • 有料老人ホーム
  • グループホーム
  • 訪問介護
  • デイサービス
  • その他

介護施設は、施設類型ごとに、必要な指定・許認可、職員配置基準、介護報酬の構造、利用者・家族との関係、施設・設備の特性が大きく異なります。同じ「介護施設」でも、有料老人ホームと訪問介護では、確認すべき論点も買い手候補類型も別物です。

買手候補の類型

介護施設の買手候補は、施設類型、規模、地域、運営方針によって幅があります。当社が関与してきた案件における主な買手類型は以下のとおりです。

  • 同業の介護事業者(事業拡大、地域展開、施設類型の拡充)
  • 大手・中堅の介護事業者グループ
  • 医療法人(介護事業への展開、医療・介護連携の強化)
  • 関連業種の事業者(不動産、住宅、福祉用具、生活関連サービス等)
  • 異業種からの介護分野参入を検討している事業者
  • PEファンド等の投資家
  • 独立を検討している同業勤務者

買手類型によって、承継後の運営方針、職員体制の維持方法、サービス提供方針、利用者・家族への対応方針が異なります。

介護施設承継で確認すべき主な論点

介護施設の承継では、次の7つの論点を確認します。

介護保険制度に基づく指定・許認可

介護施設の運営には、介護保険法に基づく指定(介護給付・予防給付の事業者指定)と、施設類型ごとの許認可が前提条件になります。指定の種類、指定有効期限、人員基準・設備基準・運営基準への適合状況、過去の実地指導・監査の結果等を確認します。

承継スキーム(株式譲渡/事業譲渡)によって、指定の引継ぎ・再申請の扱いが変わります。事業譲渡の場合は、新たな指定申請が必要になることが多く、承継スケジュールに大きな影響があります。

施設類型ごとに所轄庁(都道府県、市町村)が異なるため、所轄庁との事前協議の進め方を案件ごとに確認します。

介護報酬・加算・収益構造

介護施設の収益は、介護報酬の単位数、加算の取得状況、利用者数・稼働率、自費サービスの構成によって決まります。介護報酬改定の影響、取得している加算の継続要件、利用者の要介護度別構成、稼働率の推移を確認します。

加算(処遇改善加算、特定処遇改善加算、サービス提供体制強化加算等)は、職員配置・研修体制等の継続要件を満たす必要があります。承継後も同じ加算を維持できるかは、職員体制の継続性に直結します。

職員体制・有資格者の継続

介護施設の運営は、施設長・管理者、ケアマネジャー、介護職員、看護師、生活相談員、機能訓練指導員等の体制によって支えられています。施設類型ごとに、人員配置基準で求められる有資格者の種類と人数が定められています。

承継により主要職員・有資格者が離職すると、人員配置基準を満たせなくなる場合があり、指定取消や減算の対象になる可能性もあります。承継前の段階で、職員の処遇、雇用条件、有資格者の継続、承継後の体制について確認し、必要に応じて説明のタイミングを設計します。

利用者・家族への影響と対応

介護施設の利用者・家族との関係は、長期にわたる継続的なケアの上に成り立っています。承継により運営主体が変わることが、利用者・家族にとってどのような影響を持つかは、事業所の特性、利用者層、地域性によって異なります。

承継前の段階で、利用者・家族への説明のタイミング、説明の方法、承継後のサービス提供体制の継続性について検討します。介護施設の承継では、利用者・家族の不安を抑える配慮が、株式会社の事業承継以上に重要な論点になります。

施設・建物・設備の扱い

施設類型によって、必要な施設基準が異なります。有料老人ホームの居室・共用部、グループホームの少人数ユニット、デイサービスの食堂・機能訓練室等、施設基準への適合状況を確認します。

施設の保有形態(自己所有、賃借、サブリース等)、建物の経年・改修時期、消防設備・バリアフリー設備の状況、医療機器・介護機器・福祉用具のリース契約等を確認します。

不動産の取扱い(譲渡対象に含めるか、賃貸借で残すか、サブリース契約を維持するか)は、譲渡対価、承継後の運営コストに影響します。

自治体・関係機関との関係

介護施設は、所轄庁(都道府県、市町村)、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所、医療機関、関連サービス事業者等との関係のもとで運営されています。地域における事業所の位置付け、紹介ルート、連携体制を確認します。

特に、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所からの紹介が利用者獲得の中心になっている場合、承継後も同様の関係が継続できるかを検討します。

譲渡代金・税務・経営者保証

介護施設の譲渡では、譲渡スキーム、施設・設備の取扱い、指定の引継ぎ方法によって、譲渡代金の受け取り方、税務上の扱い、手取額が変わります。

支払方法や税務ストラクチャーは、売手・買手双方の事情に合わせて検討します。必要に応じて、税理士・公認会計士と連携します。

金融機関借入や経営者保証がある場合は、保証の扱い、金融機関との協議、クロージング時の確認事項も整理します。介護施設では施設建設・改修のための借入が大きい場合があり、経営者保証の解除・引継ぎは重要な確認事項になります。経営者保証に関する基本方針は、Guidelineに記載しています。

当社が支援できること

当社は、介護施設M&A・事業承継について、次の実務を支援します。

  • 初回相談および譲渡可能性の確認
  • 事業価値・株価等の算定
  • 買手候補の検討と打診
  • 案件概要書の作成
  • 買手候補との交渉進行
  • 基本合意書の作成支援
  • デューデリジェンスの対応
  • 最終契約書の作成支援
  • クロージング準備
  • 成約後の引継ぎに関する調整支援

支援形態(FAまたは仲介)は、案件特性に応じて決めます。詳細はServiceをご確認ください。

初回相談から成約までの進み方はFlow、報酬体系はFeeをご確認ください。

買手候補の方へ

介護施設の譲受を検討されている方は、以下のような類型が対象です。

  • 同業の事業拡大・地域展開・施設類型拡充を検討している介護事業者
  • 大手・中堅の介護事業者グループ
  • 介護事業への展開・医療介護連携を検討している医療法人
  • 関連業種(不動産、住宅、福祉用具、生活関連サービス等)からの事業拡大を検討している事業者
  • 介護分野への新規参入を検討している事業者
  • 介護事業への参入を検討しているPEファンド等の投資家
  • 独立を検討している同業勤務者

買手候補としてのご相談については、Contactよりお問い合わせください。関心のある施設類型、地域、規模、希望する承継時期等について、お知らせいただければ、該当する案件があった際にご連絡します。

買手候補として打診を受けた場合の流れは、Flowの「買手候補として打診を受けた場合の流れ」をご確認ください。